対等で自分らしいリレーションシップって?【高島菜芭のヘルシーリレーションシップ講座】

パートナーとの関係性で傷ついたりモヤモヤしたり、嫌われるのが怖くてホンネを伝えづらいと思ったことはありませんか? NPO法人デートDV防止全国ネットワークで理事を務める高島菜芭さんは「誰もが対等で自分らしいリレーションシップを構築できる未来をつくる」というビジョンを掲げ、さまざまな取り組みを行って活動されています。トキメキでは、このビジョンを実現するために菜芭さんが取り組まれていることや考え、菜芭さんの経験などについて綴っていただきます。

目次

イギリス留学で“ヘルシーリレーションシップ”を知る

こんにちは、高島菜芭です。NPO法人デートDV防止全国ネットワークの理事を務めており、「誰もが対等で自分らしいリレーションシップを構築できる未来をつくる」というビジョンを持って活動しています。

私は大学生の時に恋愛でつらい経験をした後、イギリスに留学し、「ヘルシーリレーションシップ」という考え方に触れました。「ヘルシーリレーションシップ」という言葉は日本人には、なじみがないかもしれませんが、「お互いを尊重した対等な関係性」という意味です。とにかく相手に嫌われたくない、嫌われないためにはなんでも言うことを聞く、という考えを持っていた自分にとっては、とても新鮮な考え方で、これを知ったことで恋愛観や人間関係に対するアプローチが大きく変わりました。この経験をもとに、2017年から恋愛や性をテーマに活動をしています。

恋愛に苦手意識を持つ人へ向けたカードゲーム「サチヨと恋バナ」

具体的な活動内容は、デートDVについての政策提言や、大学や企業向けの授業・研修といったものになりますが、それだけではありません。

過去には、パートナー間で性の価値観をすり合わせるためのセックス診断アプリを開発したり、性や恋愛についてオープンに話す場としてスナックや合コンを開催したりと、より気軽でカジュアルな取り組みも行っています。

「デートDV(カップル間の身体的/精神的な暴力)」という言葉が一般の人には伝わりづらいため、より広い層にアプローチするためにそのような取り組みをしています。

最近では、恋愛に苦手意識を持つ人へ向けて、付き合う前から恋愛観を共有するきっかけを作るカードゲーム「サチヨと恋バナ」を開発しました。「メッセージか電話、どっち派なん?頻度は?」、「恋人にプレゼントをもらうか、一緒にゆっくり旅行に行くか、どっちのほうが嬉しいん?」などのお題が書かれていて、お節介な関西出身のサチヨにツッコミを入れられながら、一緒に遊ぶ人との関係性に応じて徐々に仲を深めていくことができる設計になっています。

ゲームをきっかけに、自然と会話が弾み、お互いの内面的な相性を深められて、健全な交際を続けていく後押しをしたいと思っています。

お互いのニーズを大切にできる理想の関係を目指して

今後は、「コミュニケーションをオープンでヘルシーにすること」をさらに広めていきたいと考えています。自分の恋愛観を相手に伝え、もし違っていたらすり合わせる。どんな関係性を望んでいるのか、どんな愛情表現を好むのかを具体的に話し合い、お互いの価値観を理解し尊重できる関係を築いていく。また、普段から話し合っているからこそ、嫌なことがあればノーと言える関係を築くことができるとも考えています。自分と相手の境界線をはっきり自覚し、お互いのニーズを大切にできる関係が理想だと思っています。

この連載では、私の経験や現在の活動について、また「サチヨと恋バナ」の内容を交えながら、恋愛におけるコミュニケーションの取り方についてもお話ししていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

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この記事を書いた人

1996年生まれ。京都大学在学中に京都市と共同で性的同意ハンドブックを制作したのをきっかけに、恋愛や性の領域で活動をはじめる。
NPO法人デートDV防止全国ネットワーク理事として、ヘルシーリレーションシップ(パートナーとの対等でお互いを尊重した関係性)構築のためのワークショップ実施などの活動に取り組む。過去にはセックス診断アプリSeek Hなどの開発も手掛けてきた。

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