結婚しなきゃよかった…男が超絶後悔する「下げ妻の特徴」 レスなひとびと

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、24歳にして安定企業に勤める生真面目夫を手に入れたが、夜の営みをはじめ、さまざまな部分で物足りなさを感じはじめた女子。つい夫に不満を爆発させてしまった彼女に、三松先生が結婚後も幸せになれる方法を伝授します!

※こちらは過去にananwebに掲載された記事を株式会社マガジンハウスの承認のもと「トキメキ」に掲載しています。

この記事を書いた人

恋人・夫婦仲相談所所長 / 三松真由美

【レスなひとびと】vol. 23

自制心レスのヒカル(24歳)結婚後、得体のしれぬ不満がチビチビ溜まり、
自制心が抑えきれず大噴火。自制心レス女の行方はいかに。

「いいなあ。ヒカル、結婚できて。アラフォーで焦りまくってる美知先輩に余裕のスマイル浴びせられるよね」

同期の麻緒が頬杖をついてうらやましそうにヒカルを見る。

「うんうん。2年間、雑用押し付けられて、いじめられたもんなあ。仕事できないわねえって視線で毎日見下された。へへへ、これからは、先輩もはやくご結婚なさってね光線出してやる」

ヒカルは今どき珍しい見合い結婚。家電メーカー勤務の父親から部下の43歳独身男を紹介してもらい、即決。細身でインテリ風。黒のラウンド眼鏡が似合っている。見た目もいいし、マンションも貯金もある。なんでも言うこと聞いてくれる許容型性格が気に入ったのだ。その名も秀正さん。生真面目な名前に性格も表れているではないか。

趣味はクロスワードと囲碁。悪くない。お金がかからない趣味だ。秀正さんが、クロスワードとにらめっこしている横でヒカルはスマホでゲーム。インドア派の仲良し夫婦。まあ、今どきよくあるパターン。

ただ、おとなしい秀正さんにヒカルはどこか物足りなさを感じていた。

ヒカルが、気合を入れて作った韓国料理には「おいしいけど、僕には辛いな」

意識高い系柔軟剤で仕上げたフッカフカの洗濯物に「会社でお花の匂いは恥ずかしいから柔軟剤はヤメて…」

今日のエッチはいつもと違うスタイルでしようと、クイっとお尻を突き上げて猫のポーズをするヒカルに「一般的な正常位が無難だろう」と諭してくる。

うう……ううう……ん。

職場で「24歳で安定企業のサラリーマンと結婚できた女性」と言われるのは嬉しいが、このイマイチ感はなんだ。

ある日、2年間ヒカルを見下していた美知先輩たちが休憩室でお茶をしながら話しているのが聞こえた。

「ヒカルさん、結婚してから精彩を欠いてるわね。ボーっとしてる。上がってやるという気迫もないし。前のほうが鍛えがいがあったよ。エリートの夫、もしかして下げチンじゃないの」

ヒカルは、逆上し、持っていたクッキーの缶を床にぶちまけた。

「はあ? 何言ってんの。結婚したくてもできない先輩たちのひがみっしょ!! 仕事が恋人なんてかっこつけてんじゃないわよ。悔しかったら生身の男に愛されてみろってんだ!!」

美知たちの顔が引きつる。

その晩、玄関で靴を脱いでいる秀正さんの背中にクッションを投げつけた。

「あんたね、下げチンって言われてるのよ。私を幸せにしてよ! 幸せそうねって言われるようがんばってよ! 燃えたぎる愛情をぶつけてよ。ファイアーよファイアー!!」

秀正さんは、靴を脱いだまま、また外に出てしまった。そしてヒカルのもとに帰ってくる気配がないままだ。


下げ妻と呼ばれないために…夫を幸せにする努力をしよう

24歳、若いと言っても成人です。自制心を失ってはいけません。ヒカルさん、まず心構えが甘い。職場の人たちとマウンティングし合う根性は品位レスにもつながります。結婚していようがしていなかろうが、そんなことで格付けすることをやめ、オノレが置かれた場で、オノレは何ができるのか、会社のために、顧客のために何ができるか思考するまっとうな気持ちを持ちましょう。先輩のいじめが教育に思えてくるはず。

そして結婚! 秀正さんという優秀な伴侶を得たことにまず感謝。合掌。深いお辞儀。オノレの足りない部分を棚に上げまくり、秀正さんを責めるとはなにごとか。

結婚して幸せそうな女性は、まず自分が夫を幸せにするために努力をするのであります。夫のハッピーが倍返しで返ってくる。「こんないい妻のために僕はがんばっちゃう」という気持ちにさせているのです。ヒカルさんこそ、下げ妻と呼ばれてもおかしくありません。とは言え、料理や洗濯も手を抜かなかったことは偉いです。これからは夫のマイナーな反応に余裕で応える寛大な気持ちを持つと夫も変わってきますからね。いちいちイラっとしないでね。

「耐える女になる必要はないが、自制心を失うとブチ切れ女のレッテルを貼られる。オノレを磨いて、日々のガス抜きを怠らないように!」

レスびと連載


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この記事を書いた人

恋人夫婦仲所長。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察。恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。著作、講演、メディア取材多数。NHK離婚特集番組、セックスレス問題を考える番組等に出演。