吉成弁護士に離婚にまつわるお悩み相談に回答していただきます。今回はセックスを拒否するたびに暴力をふるわれ浮気をしているからセックスを拒否するのだと、ありもしないことを疑われた妻が精神的に限界を迎えスムーズに離婚をするにはどうしたらいいか？というご相談です。
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【相談】セックスを拒否したら暴力をふるわれ根拠のない不倫を疑われました。
結婚８年目で子どもが３人います。今まで６回のＤＶを受けました。理由はすべてセックスを拒否したことによるものでした。夫がセックスを拒否したのは私が浮気をしているからだと言い出し殴られました。もちろん浮気なんてしていません。
いつも自分の都合で勝手に機嫌が悪くなりキレてものにあたったりします。子どもたちも私も怖くて夫の顔色をうかがいながら生活しています｡ですが子どもに「パパと離婚しようと思う」というと「みんな一緒がいい！」と泣かれました。どうしたらいいか分からず辛くて夫に「愛情がないからセックスの強要をしないで欲しい」と言ったら、また殴られました。そして何度もしつこく求めてきました。限界がきて夫に離婚を切り出したら自殺をほのめかされました。もう精神的に限界でおかしくなりそうです。ＤＶされた時に特に証拠などは残していません。スムーズに離婚するにはどうしたらいいでしょうか？
【回答】暴力は夫婦間でも不同意性交罪が成立します。
相談者さんの今の状況はいかがでしょうか？暴力は続いていませんか？とても心配しています。
性交渉の拒否は離婚原因になることがありますが、他方で無理に性交渉を求める行為も離婚原因になり得ます。
性交渉を目的として暴力が振るわれた場合には、いくら夫婦間であっても刑法上の不同意性交罪が成立します。ＤＶが繰り返されているだけでなく、「機嫌が悪くなって物に当たる」「ありもしない浮気を疑う」などということもモラルハラスメントに当たります。
証拠の有無はいったんさておき、今回のケースの夫の言動は十分離婚原因に当たると考えられます。
精神的に限界を迎えている中で、このまま結婚生活を送ることは望ましいことではありません。また、私の経験から申し上げますと、根拠のない浮気を疑うなどの夫の言動から、話し合いをしたとしても夫が劇的に変わることは、ほとんど望めないと思います。
どうしても証拠の確保が難しいのであれば、まずは別居することです。
明確な証拠がなくても別居が長期化すれば婚姻関係が破綻していると見なされ離婚が認められる可能性が高くなります。また、すぐに離婚にならないにしても、離れて暮らすことで精神的にかなり楽になると思います。そして別居すれば裁判までいかなくても、もうやり直す意思がないということが明確に夫に伝わり、どこかの段階で夫の方でも諦めて、条件面で折り合いを付けて離婚が成立するということも、しばしばあります。
注意点として、夫に気を遣うあまりに、その気もないのにやり直す可能性があると捉えられるようなことを言ってしまうことです。そうすると返って夫の執着が強くなり、離婚が難しくなることがあります。もうやり直す気がないのであれば、その点は明確に伝えることが大事です。
そして最も大切なのは相談者さんとお子様たちの安全です。危険な状態だと感じたら一刻も早く役所などに相談し地域にあるシェルターなどに身を寄せるなどの対応をしてください。すみやかに離婚が成立することを心よりお祈りしています。
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