男女の行き交う百貨店のコーナーでセルフプレジャー用グッズが堂々と売られていたり、セルフプレジャーによる睡眠改善・リラックス効果・免疫力向上など様々な科学的効果が認められ始めていたりと、世の中の女性の性に対する捉え方は変わりつつあるように思います。
それでもやはり、いざ自身で触るとなると抵抗感や恥ずかしさを少なからず感じる女性が多いかと思います。
そんな「セルフプレジャー」に令和のオトナ女子らどう向き合えばいいのか?またセルフプレジャーをする際に気をつけた方が良いこと・女子がオーガズムを感じる方法について、
mimiレディースクリニック三越前院長 産婦人科専門医の干場みなみ先生と恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美先生のお二人にお聞きしてきました!
干場みなみ先生
mimiレディースクリニック三越前院長 産婦人科専門医
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日本大学医学部を卒業。2年間の研修医終了後は、日本赤十字社医療センターへ入職。当時東京一の分娩数を誇る病院であり、妊娠・分娩を中心に経験をつみ国立国際医療センター病院へ転職。腹腔鏡手術や婦人科がん手術等幅広いスキルを身につけたのち、不妊治療を専門とするリプロダクションクリニック東京へ。少子化を背景に、キャリアを持って働く女性が不妊に悩んでいる現状を目の当たりにする。働く女性が将来妊娠に対する不安や婦人科疾患に対して知るきっかけや相談できる拠点となれたらという思いから開業に至る。
三松真由美先生
恋人・夫婦仲相談所所長 / 執筆家
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夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3千名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティを展開し20年以上夫婦仲アドバイスを続けている。性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。「セックスレス」「ED」「女性性機能」に詳しい。急激に伸びるフェムテック市場に乗り込むべく新会社Glad設立。日本フェムテック協会顧問。
セルフプレジャーはするべき?
編集部:ずばりセルフプレジャーはするべきでしょうか?
真由美先生:セルフプレジャー大事ですよね。私が所長をしている恋人・夫婦仲相談所で相談に来た女子の方には、セルフプレジャーを習慣的にしようと伝えています。
みなみ先生:まずは自分のことを知るという意味で大事だと思います。セックスを楽しむための第一歩だと思います。
真由美先生:恋人・夫婦仲相談所には未婚の方も既婚の方もたくさん相談に来られるのですが、「Hが楽しくない」という相談があるんです。「エッチが全然気持ち良くない」、「没頭できない」、「彼に付き合わされてイヤイヤしている」ケースなど。相手が手ほどきして導いてくれる男性ならいいのですが、相手にばかり期待していては難しいので・・・。まずは「己を知れ!」「己の性感帯を知れ!」と伝えています。彼氏や夫に自分で自分の気持ちの良い所を教えられないと、いいエッチはなかなかできないものです。そういう意味で自身の気持ち良くなり方を知れるセルフプレジャーは第一歩だと思うんですよね。
編集部:セルフプレジャーをする際に気をつけた方が良いことはありますか?
みなみ先生:まずは衛生面は気をつけた方が良いですよね。陰部は手で簡単に触れてしまえるのですが、汚い手で触ると菌が繁殖してしまいます。しっかりと手を清潔に保つこと、またおもちゃを使う時も清潔な状態で使ってあげることが大事です。あとは爪が当たらないように短くしておくことも大事ですね。
真由美先生:女子の中にはグッズやおもちゃを買うのが恥ずかしくて、でも触ってるうちに気持ちよくなってしまって、ついついブラシの先だとかお部屋にあるものを使っちゃったという話も聞きますよね。
みなみ先生:その場合は衛生的に綺麗しておくことはもちろんなのですが、腟って実は意外に短く、大体5-8cmほどの長さなんです。なので長いものを入れてしまうと子宮に刺激になり、そこから感染の原因になることもあるので、注意が必要です。
真由美先生:女子たち〜長いものを挿れる時には気をつけてね!!
最低限知っておくべき女性器の作り
編集部:セルフプレジャーの前に、これだけは知っておいた方がよい女性器の作りについてぜひ教えてください。
みなみ先生:女性器には穴が3つあり、お腹側の尿道口、真ん中の腟、お尻側の肛門があります。そして腟を挟むようにびらびらとヒダになっているのが小陰唇。外側の触ってあげるとプクプクしているのが大陰唇です。セルフプレジャーというと、「クリトリス」がみなさんよく耳にされるワードかと思います。クリトリスは尿道口の上のあたりにありますが、クリトリスは実は表面に見えている部分だけではなく、大陰唇の奥側まで繋がっているんです。
みなみ先生:またクリトリスは日本語訳で「陰核亀頭(いんかくきとう)」と呼ばれていて、男性器の感度が良いと言われる「亀頭」と同じ部位にあたるんです。なのでやはりクリトリスというのは触ると気持ちが良い部位なのですが、ここばかりを刺激してしまうと痛みだったり、尿道口と近いので傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。先ほどお話しした通り、クリトリスは、プクプクとした大陰唇の方まで広がっているので、大陰唇も一緒に刺激してあげるのが良いかと思います。
真由美先生:清潔な手で触ってみるのもいいですが、各メーカーさんが、長さなど健康面にも配慮しつつ、ちゃんと気持ちよくなれるように設計して作られたセルフプレジャー用のおもちゃがあるので、それを利用するのもおすすめです。材質も”ホワンホワン〜♡”ないい素材だったり、パステルカラーだったり、原宿の雑貨屋さんで売ってそうな可愛いデザインだったり、様々なおもちゃがあるんです。
真由美先生:女性誌の取材などでオススメのおもちゃについて聞かれたりもするんですが、必ず答えているビギナー女子向けの私のおすすめは、LCラブコスメの『メシべ』です。ボールペンくらいの長さと太さなので、中に入れるのもあまり怖くないし、震え方も”プルプル〜”くらいで。ビギナー女子に本当におすすめなんです。
真由美先生:そしてさらに中級になってくると、もう少し太いものとか、曲がったものとかも色々アイテムが出ていますよね。
みなみ先生:最近は吸引のものとか様々なタイプが出ていますよね。
真由美先生:あら〜♡上級者向けのおすすめグッズも追々ぜひ紹介したいですね。
オーガズムとは?どうしたら経験できる?
編集部:オーガズムとは何でしょうか?またどうすればオーガズムを経験できるのでしょうか?
みなみ先生:オーガズムはよく「経験したことのない快楽」と言われていますよね。陰部は大部分が筋肉でできているのですが、筋肉が小刻みにピクピク痙攣する現象です。また性的興奮やオーガズムによって血流が増えて腟が精子を溜め込もうと膨む「バルーン現象」も特徴です。
真由美先生:セルフプレジャーでクリトリスへの刺激からオーガズムを感じることはできても、男性とのセックスでオーガズムに達せない女性が圧倒的に多いんですよね。いったふりをする女性も多い。
みなみ先生:そういった方には、子宮の入口から指を入れた時に「Gスポット」と呼ばれる快楽を感じやすい部位があるので、そこを刺激してあげるというのも試してみていただきたい方法です。
真由美先生:あとは、男性の陰茎が入ったまま、クリトリスを刺激してあげるというのも良いですよね。例えば、パートナーの陰茎につけると同時にクリトリスを刺激してくれるグッズがあるので、それを取り入れてみるとか。グッズがない時でも、クリトリスになにかあたる工夫を一緒にしてみるとか、もう自分で触っちゃうというのもありです!
真由美先生:そしてやはり、セルフプレジャーを通じて、自分の性感帯を知っておく、開発しておく、慣れておくのも大事です。
続いては、令和女子に伝えたい、「フェムケア(デリケートゾーンのケア)」についてお二人にお聞きしています!