美容・健康

ピンとくることがあったら、あれこれ考る前にトライしよう

私は専業主婦時代、あることに熱中していました。そして、そのあることのおかげで、むしゃくちゃお得な体験をすることができました。
それは何か? 家電や食品で「こうしたらいいのに……」と感じるところがあったら、賞品開発部に改善依頼のお手紙を出すというアクションです。
エアコン掃除が苦手だった私。エアコンにほこりがたまっているのを見上げては、あ~あとため息をついていました。ちょっとやそっと掃除するくらいではきれいになりませんし、とってもめんどくさい作業になります。
そこで、某大手家電メーカーに手紙を書いて、「前側のカバーだけスポッと取り替えられる、掃除しなくてもいいエアコンをつくってください。あと、センスのいいエアコンカバーをおまけにつけてください。使ってないときにほこりがたまらないようにしたいんです。春は桜色、秋は茜【あかね】色といったように10種類」と、下手なイラストをカラフルなペンで書いて、もの申しました。
すると3週間後、「貴重なご意見ありがとうございました」と、超高級、大型ワイドの新品エアコンがうちに届きました。
「げげげ? こんなことってあるの!? プレゼントに応募したわけじゃないのに……」と、天から降ってきた超高級エアコンで最涼の夏を過ごせるようになったのです。
もうひとつ覚えているのは、クリープです。
まだ子どもがよく暴れていた頃でしたので、粉ものはしょっちゅうこぼされます。そこで、「角砂糖みたいな固形のクリープをつくって!」と、またまた下手なイラストの説明つきで提案しました。
すると、またまた「貴重なご意見ありがとうございました」と、乳製品詰め合わせセットのでっかい箱が我が家に届いたのです。
1年間、自腹でクリープを買わなくてもいい幸せ。
このときの嬉しさがモチベーションになり、のちに主婦を集めて、主婦の視点で商品開発やマーケティングリサーチを行う会社をつくったわけです。
企業に属していない一消費者の立場でも、「提案してみる」ことは悪いことではありません。クレームではなく、「こういう商品があったら便利なのに」というかわいい姿勢で意見を届けましょう。
当時は、専業主婦だから社会と接点がなくてさみしいという気持ちがあったので、エアコンやクリープ、そのほかにもたわしや洗剤やCDが降ってきた体験は、ママ友だちにも教えてあげなくちゃと使命を感じました。
自分が会社をつくってからは、実際に、コンパクト食洗機やインターネットテレビ、調味料、ベビー服やキッズ向け学習ソフトやおもちゃを続々とカタチにしてゆき、商品開発に参加したママたちはとってもとっても喜んでくれました。
自分の思いつきが種となり、やがて何かしらのカタチになる。こんなに刺激的で嬉しいことはありません。

4年ほど前、私の母は物忘れが激しくなり、認知症初期症状だと診断されました。昔のことはたいそうよく覚えていて、何度も同じ話をします。
そこで私は、母の脳を活性化させるために、何か考える作業をしてもらったほうがいいなと思いつきました。
私はものを書く仕事をしているので、母に「その壮大な自分史を小説にでもしてみたら。賞とって、お寿司おごってよ」と提案しました。すると母は「賞金いくら?」と聞いたあと、原稿用紙とボールペンをしこたま買い込んできて、本気で小説を書き始めたのです。
今まで取り組んだことのないことでも、おいしい目的のある提案をしてあげると、人は動くものなんだと驚きました。
と同時に、私もこのことがきっかけで「小説家になりたい」と思うようになり、賞とり合戦に参加し始めました。いまだ落選中ですが、新しいことを始めたという意味では大いに成長したと思っています。