メールを使っている人は、受信箱を定期的に掃除をしないと、毎日、膨大な受信メールがたまっていきます。
私は3カ月に一度くらいの頻度で、受信箱の「過去」をさかのぼってみるのですが、「ありゃあ、○○さん、ご無沙汰してたわ」「あ、この方に返信し忘れていたような……」「あのときは仕事に追われていてそっけない返信をしたので、あらためてご機嫌をうかがおう」といったシーンによく出くわします。
そんなとき、私は「いかがお過ごしですか?」といった、特に用件もないメールを送るようにしています。
これは、普段は会えない人とのコミュニケーションをキープ&ディープにする貴重な行動だと思っています。
実際、何年もお会いしていない人から、「あ、ちょうどよいタイミングでした。
来週末にプチパーティーがあるので、ぜひいらしてください」といった返信が届き、短期間のうちに再会を果たせるなんてことがしょっちゅう起こるのです。
出会ったときは月並みな挨拶しかできなかったけれど、時間にも気持ちにもゆとりがあるときにあらためて言葉を交わしてみると、意外な展開があります。
20人くらいの異業種交流会で、「イタリアに住んでいたことがあって、イタリア語が話せる」と言っていた男性がいました。
その人と名刺交換をしたのですが、私はミラノから帰ってきたばかりでしたので、たったひとつだけ覚えたイタリア語「ボンジョルノ!」を連発し、笑い合いました。
しかし、交流会なのでゆっくり話をする余裕がありません。
その場は、少し言葉を交わしただけで別れました。
ものすごく興味深い人だったのですが、お仕事には接点がなく、その後1年以上、彼と連絡をとることはありませんでした。
そんなある日のこと。
イタリアに住んでいる友達夫婦から、「来月帰国するんだけど、夫の職を探したいから、情報をちょうだい!」との連絡がありました。
ダンナ様はイタリア人。
日本語は話せないと言います。
私は困りました。
そして、日本でのイタリア情報に詳しく、イタリア語が話せる人は誰かいないかな、と思い悩みました。
そのときにふと思い出したのです。
ボンジョルノの彼のことを。
私は受信箱をひもとき、まさに彼のアドレスを掘り起こしました。
そして、「ボンジョルノ! お元気? ご無沙汰!」と連絡をとってみたのです。
すると、「その日、行きますよ。
ぼくもイタリア語がしゃべりたいし」という嬉しい回答が。
言うまでもなく、誰もがハッピーになれる場をつくることができました。
奥様は、いちいち通訳しなくていいからとってもリラックスできたと大喜び。
ダンナ様も、日本に来て不安だったけどちゃんと言葉が通じる人がいたということでひと安心。
私も、イタリアンな1日が過ごせて刺激的。
一度ディープに話しておくと、間があいたとしても、次回はにこやかに連絡を取り合うことができます。
定期的に会えるわけではないけれど、何かのおりにお互いの存在をアピールしておくと、声をかけやすく、また声がかかりやすくなるのです。
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