「最近、夫(彼氏)が勃ちづらい」「射精するまでにかなり時間がかかっている」
そんなパートナーの異変を感じて「もしかしたら、自分に魅力がないのかしら…」といったネガティブな感情を抱えてしまう人もいるのではないでしょうか。
今回のセックスレス改善講座は、男性の性機能について解説いたします。勃起や射精のメカニズム、男性が勃起や射精しやすいように女性側ができる対策も紹介するので、最後までご覧ください。
男性の勃起と射精のメカニズム
“勃起したらかならず射精する”と考えている人がいます。たしかに勃起と射精は一連の流れと考えがちですが、勃起と射精は全く別物で、それぞれ独立したプロセスで行われています。
たとえば、「勃起しているのに射精ができなかった」とか、「勃起する前に射精してしまった…」というケースもあります。つまり、勃起したらかならず射精するというわけではないのです。
もし、夫(彼氏)の性機能に問題を感じたとき、勃起と射精、それぞれどの過程でどこに問題があるのか、しっかりと理解して対応する必要があります。
まずは、勃起と射精、それぞれのしくみについて解説していきます。
勃起はなぜ起こる?勃起のメカニズム
勃起するのは単純で本能的な現象に感じるかも知れません。ですが、勃起が起こるしくみは複雑です。
勃起するには以下の条件をクリアにしなくてはなりません。
<勃起を促すための条件>
・脳が正常であること (⇒視覚や聴覚で刺激や興奮を感じられるように)
・神経が正常であること (⇒脳で受けた指令を神経が伝達するため)
・血管(動脈と静脈)が健康であること (⇒血流を確保するため)
・男性器(海綿体)が正常であること (⇒勃起状態を維持し続けられるように)
このように勃起するには、脳、神経、血管、男性器(海綿体)が正常(健康)な状態であることが条件であり、これらがきちんと連動して動くことが必須となります。もし、どこか一つでも問題があると勃起することが難しくなってしまいます。
勃起の大きな流れ
それでは、勃起の大きな流れについて解説します。
1.視覚や触覚による刺激
女性の裸を見たり、妄想することで性的興奮が起こります。また、マスターベーションなど直接触ることで刺激を感じるところから始まります。
2.神経系より勃起命令
視覚や聴覚から性的刺激を受けると、脳から脊髄を通って刺激が副交感神経を通り伝達されます。
3.血液が男性器に流入
男性器にある海綿体というスポンジ状の組織に血液が流れ込まれます。血液が圧迫することによって男性器は充血し、大きく硬くなります。
4.勃起状態の維持
性器の根元にある括約筋(弁もしくはバルブの役割をする筋肉)が閉じて、海綿体から血液の流出を防ぎます。この括約筋によって勃起状態が維持されます。
勃起するにはリラックスが大事
勃起するには、自律神経の副交感神経が優位であることが必要です。つまり、リラックスしている状態であれば、男性器の血管が拡張して血流がよくなるため、勃起しやすくなるというわけです。
逆に緊張やプレッシャー、悩み事があるときは交感神経が優位な状態なので、勃起ができないメカニズムになっています。性交渉の際のプレッシャーはもちろん、普段からの生活でパートナーとより良い関係を築いておくことが非常に大切です。
射精はどういう流れで起こる?射精のメカニズム
射精とは、精液を放出することです。射精のメカニズムを簡単に解説いたします。
第1段階
男性器が勃起し、さらに性的な興奮や刺激が加わると、精巣で作られた精子は精菅に送り出されます。そのまま前立腺まで運ばれて、精嚢からの分泌物と混ざり合い、精液となります。
第2段階
精液の膀胱への逆流を防ぐために、膀胱につながる尿道は閉鎖されます。精液は射精の瞬間まで充填されて溜まっていきます。
第3段階
性的興奮が頂点に達すると、前立腺や精嚢周辺の筋肉が収縮し、規則的に動きが繰り返されることで、精液は尿道に押し出され、外尿道括約筋がゆるんでペニスの先から射精されます。
射精するには興奮要素が必要
射精はただ単に男性器を刺激すれば、誰でもできるというわけではありません。
正常な射精をするためには前立腺や精のうが健康であること、そして、男性ホルモンの一種であるテストステロンが正常に分泌されていなくてはなりません。
そして、性的な興奮や刺激をもたらすことが必須です。勃起するにはリラックスした状態を生む副交感神経が優位であることが必要でしたが、射精の場合は、逆に興奮状態において重要な役割を果たす交感神経が優位でないと射精しづらいことが分かっています。
勃起や射精が正常に行われるには
勃起や射精が起こるしくみを理解していただけたでしょうか?
勃起と射精ともに脳が発令する複数の指令を受けて、さまざまな神経や筋肉、血管が連動しなければなりません。もし、脳がストレスやプレッシャーを感じてしまうと、勃起しづらかったり、射精がうまくできなくなってしまいます。
また、脳だけでなく、神経や血管、ホルモンなど必要な項目がそろってこそ、勃起や射精ができるわけです。脳も血管も健康でなければ、男性の性機能は停滞していくことが推測されます。
では、勃起と射精が起きやすくするには、具体的にどのような対策をしていけばいいのでしょうか?
勃起や射精を上げる方法と工夫
ここでは、パートナーの勃起力をアップし、射精力を高める方法を紹介します。具体的な対策を紹介するので実践してみてください。
勃起力を上げる方法
勃起力を上げるポイントは、血流を促進することと、自律神経を整えてリラックスできる環境づくりを試みましょう。
①食生活の栄養バランスに気を配ろう
勃起力は、血流やホルモン分泌が関わっているので食生活が非常に重要となってきます。
コンビニ食や高カロリーのファーストフード、できあいのお弁当ばかりだと健康によくありません。
主食、主菜、副菜を組み合わせた栄養バランスのよい食事を用意してあげましょう。
ちなみに「亜鉛」「シトルリン」「DHA/EPA」「アルギニン」という栄養素を摂ることをおすすめします。
栄養素 | 含まれる食材 |
亜鉛 | 牡蠣、アーモンド、チーズ、卵黄、ゴマ |
シトルリン | ゴーヤ、冬瓜、キュウリ、スイカ |
DHA/EPA | サバ、イワシ、サンマ、アジ |
アルギニン | うなぎ、ニンニク、大豆、マグロ(キハダ) |
亜鉛は、性ホルモンの合成や精子の生成などに深く関係しており、勃起力を高める作用があります。
不足すると男性ホルモンであるテストステロンの分泌が低下し、それに伴って性機能に影響を及ぼす可能性があるので不足しないよう注意しましょう。
シトルリンやアルギニンの主な働きは、血管を拡張し、血流を改善、男性機能を回復し勃起力を高めます。DHAやEPAも血液をサラサラにし、血流を改善する作用がありますが、体内でほとんど含まれないため、食事から摂取するしかありません。
毎日の献立にこれらの栄養素が含まれる食材を意識的に取り入れてみることをおすすめします。
②運動を一緒に行う
運動することで血流が促進し、筋肉も同時に鍛えられます。そして、筋トレは男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促進することができます。運動不足と自覚しているならば、ぜひパートナーと一緒に運動する習慣を身につけてはいかがでしょうか。
特におすすめなのがスクワットとヒップリフトです。スクワットでは、お尻周りや太ももの筋肉を重点的に鍛える筋トレです。性行為に必要な持久力を高められます。ヒップリフトは腰回りの筋肉を強化でき、血流が促進されることで勃起力が高まることが期待されています。
③質の良い睡眠がとれるようサポート
睡眠不足が続くと男性ホルモン(テストステロン)の分泌の低下や自律神経の乱れを導きます。
アメリカの研究によると、睡眠不足が続くことで男性ホルモンであるテストステロンの分泌が10~15%ほど低下するという結果が出ています。勃起は自律神経の副交感神経の影響を大いに受けますから、睡眠不足は勃起しにくくなる要因なのです。
夫(彼氏)が十分に質のよい睡眠をとれるようにサポートをしてあげてください。たとえば、夫(彼氏)がゆっくりと熟睡できるような寝具やウェアを用意してあげると良いでしょう。
また、起床時間にカーテンを開けて太陽の光を浴びるようにしたり、朝食をしっかりと用意してあげたり、就寝前にマッサージしてあげたり、まずはできることから始めてみましょう。
④湯船にゆっくりと浸かる
勃起力を高めるには、下半身の血流を良くすることがとても重要となってきます。
39~40度くらいの丁度よい温度でゆっくりと湯船に浸かることで副交感神経も優位に働きます。
入浴時はシャワーだけで済ませるのではなく、湯船に入って体を温めるようにしましょう。
もし、夫(彼氏)がシャワーのみで入浴を済ませているなら、ゆっくりと湯船に浸かるように促したり、たまには一緒に湯船に浸かったりしてみてください。二人でお風呂に入ることはコミュニケーションの場として最高の空間となることでしょう。
射精力を上げる方法
射精は、筋肉の力を借りると同時に、さらに性的興奮を高める要素を取り入れることがポイントです。射精力を上げるためにもパートナーが興奮しやすいよう工夫していきましょう。
①美しい女性でいるための努力を怠らない
出会った頃は外見にも磨きをかけていたのに、いつの間にかスタイルが悪くなった、夫(彼氏)の前でだらしない格好をしている、いつも不満げな顔で過ごしていたりしていませんか?
自分が美しい女性であり続けようという努力が、夫(彼氏)の射精力をアップさせます。運動や食生活に気を配り、スタイルキープしていたり、肌や髪を丁寧にケアしたり、外見への努力を怠らない女性というのは男性からみても魅力的です。
外見だけではく、中身も大事で、どんな人に対しても優しくて気配りがあったり、何事にも前向きにチャレンジしたり、言葉遣いが丁寧であったり、男性がグッとくるポイントです。
いつまでも女性であり続ける努力をすることこそが、パートナーの射精力を上げる秘訣ではないでしょうか。
②いつもとは違うギャップを作り出す
普段とは違うギャップ作りもパートナーの射精力を上げるためには必要です。
たとえば、ヘアスタイルを変えてみたり、普段着用している下着ではなく、セクシーランジェリーを購入してみたりするのもありかと思いますし、二人きりになったら思いきり甘えてみるというのも良いでしょう。普段とは違う自分をみせてパートナーを興奮させられるように試みてはいかがでしょうか。
③男性が感じやすい部位を触る
男性器には感じやすい部位があります。セックス時に感じやすい部位を触ることで興奮度は高まり、射精がしやすくなります。
続いては、男性器の名称と触り方のポイントについて紹介していきます!
男性器の名称と触り方のポイントについて
亀頭
陰茎の上部に位置している部位。皮膚が薄いため、敏感に反応して性的興奮を感じやすいところです。
触り方のポイント
⇒手の平で伸ばすように、指先で点を打つようなイメージで触ってみてください。
とても皮が薄くて敏感な部分なのであまり触り過ぎると痛いと感じてしまうので気をつけましょう。
陰茎(サオ)
ペニスや男根と呼ばれる器官です。亀頭、包皮、尿道、海綿体で構成されています。
触り方のポイント
⇒基本的に手の平で握りますが、指先には圧を入れないように、上下に動かします。
根元、中間、上部と、人によって好みは違うため、パートナーの好みに応じて触ってみましょう。
鬼頭冠(カリ)
陰茎先端部のエラの張った、陰茎と亀頭の間に位置するくびれた部分です。
触り方のポイント
⇒ひっかけるように指の腹で滑らかに動かします。指に輪っかを作ってひっかけるイメージ刺激してみます。
陰茎小帯(裏筋)
陰茎の亀頭の裏側と包皮との間を橋渡し状につないでいる筋状の組織で裏筋とも言われています。
触り方のポイント
⇒発生学的には女性のクリトリスと同じです。とても感度が高いので何かにつけて触ってみましょう。
陰嚢(たま)
陰茎の付け根あたりから左右に2つに垂れ下がっている球状の器官です。
触り方のポイント
⇒睾丸が入っている部位なのでより丁寧に扱います。さわさわとしたりするのがおすすめです。
会陰
男性の場合は、陰嚢から肛門にかけての間の部分のことです。
触り方のポイント
⇒推したり、さわさわしたりすると気持ちよくなりやすいです。
男性器の触り方のアドバイスは以上となりますが、感じやすい部分というのは人それぞれ違います。
いろいろな触り方をしてみて、この部分はどうか、どんな触り方が好きか、パートナーに聞いてみながらの方がより効果的かと思います。
感じやすく興奮しやすい部位というのは男性器だけとは限りません。身体の他の部位も触ったりしながらやってみることをおすすめします。
最後に
以上が、男性の性機能である勃起と射精についての解説でした。
セックス(性行為)は二人のコミュニケーションであり、肌に触れあいながらお互いの愛を感じ合うことが何より大切です。そのうえで、男性の性機能を理解しておくことでよりよい関係を築いていけるのではないかと思います。
引き続き、「#セックスレス改善講座」では、セックスレス改善に役立つ情報発信を行っていきますので、チェックしてみてください。