不妊治療をきっかけに、セックスレスになる夫婦は意外と多いものです。
それまで性生活に問題なかった夫婦であれば、深刻にとらえてしまうかもしれません。 この記事では、「なぜ不妊治療でセックスレスになるのか?」そして「抜け出す方法」をご紹介します。
✔️ 本記事を書いた人

都内で企画職としてはたらく、アラサー女性。
結婚生活も長くなるが、夫婦間の課題に直面し、解決策を探っている。
自ら夫婦関係の改善のためにカウンセリングを受けたことがきっかけで、「恋人・夫婦仲相談所」を知り、そのビジョンに共感しライターへ。
不妊治療によるセックスレスとは?
不妊治療でレスになるのは、おかしい?
実は、世の中でセックスレスに悩む夫婦は、全体の5割以上いると言われています。

そして、いまや4組に1組の夫婦が不妊治療をする時代です。「不妊治療がきっかけでセックスレスになった」という人が大勢いておかしくありません。
これからご紹介する、不妊治療をきかっけにセックスレスになった方々の理由を見ると、「それはなって当たり前かも」というように思うかもしれません。
それでも「セックスレス」になると不安は付き物
元々活発だった夫婦であればあるほど、急なセックスレスで「自分は愛されていないんじゃないか」と思ってしまったり、「今後も戻らないんじゃないか」と、とても不安になると思います。
では、なぜ不妊治療のせいでセックスレスになってしまうのでしょうか?
「タイミング法」→「人工授精」→「体外受精」とステップアップしていく不妊治療ですが、実はそれぞれで異なる原因があります。
「愛さなくなった」などのネガティブな理由ではなく、妊娠に向けて一緒に頑張るからこそ自然と起こってしまう事なのです。
下記にそれぞれのステップでの原因を解説していきます。

タイミング法がなぜレスの原因になる?
「タイミング法を始めると、セックスの回数が減る」
これは日本生殖医学会で発表された研究結果です。
夫婦のセックス回数は、タイミング法を行う前までは月に4回だったが、タイミング法を行うと月2回に減少してしまうという報告がありました。
セックスの目的が「妊娠すること」になるから
その理由は、セックスの目的が”楽しむこと”ではなく、”子供を作ること”になってしまうからと言われています。
そのことで、妊娠に関係ない日にセックスをする意味を感じにくくなってしまいます。
これは、「いつかできればいいね」と思っている段階では問題ないのですが、「子供が欲しい」という想い・焦りが強まるほど、当てはまるケースが増えていきます。
「強いられるもの」=プレッシャーになるから
また、「この日にタイミングをとってください!」と医師に指定されることで、セックスが「強いられるもの」=プレッシャーになってしまうから、という理由もあります。
アメリカのセックスセラピストの報告によれば、
45 percent of couples struggling with infertility treatment report that sex “by the clock” is stressful
Psychology Today”How to Stay Sexually Connected During Infertility Treatment”)
45%のカップルが「タイミングを決められたセックスは苦痛・ストレスである」という回答もあるようです。

人工授精・体外受精でのレスの原因は?
タイミング法では、少なくとも月に1度タイミングを取っていたものの、人工授精・体外授精にステップアップすると、なおさらするチャンスが減っていきます。
加えて、より「治療」らしくなっていくことから、下記のようなセックスレスの要因が増えていきます。
ホルモン剤の影響による性的欲求の減退
体外受精で、排卵促進剤の薬を活用し始めると、ホルモンが変化し、女性側の性欲が少なくなる可能性が指摘されています。
例えば、排卵誘発薬として使用されるクロミフェンは、女性らしさをつくるホルモンと呼ばれる「エストロゲン(卵胞ホルモン)」や「プロゲステロン(黄体ホルモン)」に影響を与えます。これが性欲に影響を与えるのです。
いつも不妊治療のことを考えるというストレス
特に女性に起こりがちですが、不妊治療に集中しすぎることで、いつも結果を待ち、そればかり考えてしまうという方も少なくありません。
妊娠結果が出るまでの2週間ヤキモキした気持ちや、それが毎月行われる感情の起伏等、ストレスに満ちたものです。
人工授精や体外受精にステップアップした夫婦は、よりそのストレスレベルは高まっています。
そして、基本的にストレスが増えると性欲は減ると言われています
セックスすることが怖くなる
これは体外受精ではよくあることです。
例えば、排卵剤を飲んでいると、腹部に圧迫感があり、セックスしにくくなります。しかも、採卵の前後はセックスそのものが「禁止」されています。
移植後はなおさら、衝撃を与えてはいけないと、セックスに対しておっくうになってしまいます。
どうにかして、性的なつながりを復活させたい!

ここまで、不妊治療がきっかけでセックスレスになる様々な理由について説明しましたが、大きくまとめるとホルモンや感情的な問題による性欲の減退に集約されていくと思います。
そのため、セックスを復活させるためには「欲求を取り戻す」こと、「セックス=妊娠のための手段」という認識から抜けだすことが大事です。
「セックスをしなくてもいい」けどいちゃいちゃしてみる
セックスのプレッシャーを抜きに、お話をしたり、触れ合ったり…。愛情を再確認するような時間を意識的にもってみてください。
たとえセックスができなくても悲しまないでください。まずは、「子供がいなくても、2人だけで愛し合っている」という感覚を取り戻すのが大切です。
場所を変えてみる
ベッド=妊娠のためのセックス、というイメージがついてしまっている可能性があります。
その場合は、例えばソファやホテルを取ってみる等、場所を変えてみるのも気分転換になるでしょう。
セルフプレジャーで欲求を取りもどしてみよう
自分の性欲が問題の場合は、プレッシャーの少ないセルフプレジャーで、性欲を取り戻してみましょう。
夫婦で運動しながら気分転換してみよう
不妊治療は心にも大きな負担になります。なので純粋に心が落ちてしまっていることが多いものです。
夫婦で一緒に体を動かして、気分転換し、心と体の状態をリセットすることも大事です。
すぐに実践できることとして、夫婦でお家で一緒にダンスをすると、体がのっててきて、心ものってきます♪


最後に
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