相談: 50歳。濡れにくくなりセックスが楽しめなくなりました【鍼灸師えみすけが答える性のお悩み相談】

トキメキでは女性が抱く、誰にも相談できず、どこに相談したらいいか分からない性のお悩みに真剣に向き合い真摯に答える掲示板「オトナの保健室」を開設します。相談に答えてくれるのは女性の身体と心に寄り添い幸せに導く専門家の皆さんです。セックスや性に悩みを抱えている女性たちが少しでも解放され、幸せでトキメク日々が実現するように全力で向き合います!

この記事を書いた人:

鍼灸師 /えみすけ

更年期を過ぎたらまたセックスを楽しめるようになるのでしょうか?

50歳です。1年程前から濡れにくくなり、セックスの時に痛いと思うことが増えました。性欲はあるのですが身体の反応が悪くなってきた感じです。感じにくくもあり、これは更年期のせいなのでしょうか?あとはフェムゾーンの臭いも気になるようになりました…。パートナーも50代で勃起力が落ちているため最後までできない時もあり、気持ちが萎えてしまいます。したいという気持ちはあるのに、お互い身体の変化についていってない感じです。いつまでも昔のようなセックスができるとは思いませんが、年齢を重ねてもお互いが満足するようなセックスをするためにはどうしたらいいでしょうか?

また、こういった症状は更年期によるものでこの時期が過ぎたらまた楽しめるようになるのでしょうか?それともどんどん悪くなる一方なのでしょうか…?

(50歳女性)

回答:2人だけの楽しいセックスのカタチを見つけてみましょう

加齢に伴う女性ホルモンの低下により性交痛を感じることはあります。

閉経の前後5年間を更年期と呼びますが、この期間で女性ホルモンはいちじるしく低下します。

更年期以降は、低下した女性ホルモンをいかに補うか、ということだけではなく、実は、うまく男性ホルモンを分泌させることも、健康と性生活にとって重要です。女性の体内にはもともと少量の男性ホルモンが存在し、女性ホルモンをつくる原料となっているのです。

女性ホルモンを補うために女性ホルモンと同じような働きをする大豆製品を摂取したり、クリニックで女性ホルモン(あるいは男性ホルモン)を補充したりする方法もありますが、男性ホルモンは日々の行動によっても分泌を高めることができます。ぜひ、以下のことを意識して生活をおくってみてください。

男性ホルモンの分泌を高めるには、①食事②運動③行動が大切です。

男性ホルモンの分泌を高める①食事

まずは、たんぱく質。そして、一般的に「精がつく」といわれているような、山芋やにんにく、ニラやネギ類なども大切です。

男性ホルモンの分泌を高める②運動

基本的には有酸素運動をおすすめします。あまり強度が高い運動でなくてよいので、ウォーキングや楽しんで続けられる持久力エクササイズをとりれてみましょう。

男性ホルモンの分泌を高める③行動

男性ホルモンは、積極的な行動で分泌されるといわれています。具体的には、「おうちから出て、人に会うこと」「新しい場所に行ってみること」「興味や関心を持てる物事をつくること」「美しい景色や好きな音楽に癒されたり、アイドルや芸能人にときめくこと」などです。

これらは、ひとりでも、ご夫婦でも取り組めることですので、ぜひお二人でいろいろと楽しんでみてください。(できればご主人は、有酸素運動だけではんく、スクワットなどの下半身を使う筋トレも加えてみてほしいです)

男性は、男性ホルモンが高まると性機能も向上するので、勃起や射精にも良い影響があると思われます。

セックスや性機能のことだけを重視するわけではなく、あくまでも日常の中に、健康になるための行動を楽しく取り入れていただくことが、仲良しの秘訣かと思います。

回答:女性の潤いを保つ「心」のケア

女性の潤いには「心」が大きく関係しています。

たとえば、とある50代後半の女性は、離婚後に彼氏ができました。結婚していた時は、痛くて元夫とまったくセックスができなかったのですが、その彼氏とはやはりセックスをしたいという気持ちが湧いたため、身体のケアをいろいろと努力されたんですね。

まずはフェムゾーンのケアから。フェムゾーンケア専用のオイルなどで保湿をし、鍼灸施術も受けられました。

と同時に、相手に対して気を遣っていることに気づき、それを徐々に解放したり、性や自分のフェムゾーンに対しての抵抗感を薄めていくことで、びっくりすぐるらい濡れるようになったんです。

痛みもなくなり、大好きで信頼している相手とセックスを楽しめるようになったことで、改めて、女性の心と腟の潤いには密接な関係があると感じた次第です。

身体と心は両輪です。

いくら心にやる気があっても、やはり50代以降の体は、若い時よりもケアを必要とする場合があります。どちらも適切にケアをしてあげる必要があります。

回答:骨盤内の血流を増やす「身体」のケア

身体のケアとして大切なのは、骨盤内の血流を増やすことです。腹巻をする、お風呂に入ったときにお尻にシャワーを当てる、など色々工夫はできると思いますが、特にお家でのケアでおススメなのはお灸です。仙骨へのお灸はとてもおすすめなのですが、一人ではやりにくいので、セルフケアとしては内くるぶしの三陰交と呼ばれるツボに行うと効果的です。

火を使うことに不安がある場合は、火を点けずに貼るだけのタイプのお灸もあります。貼るタイプのお灸は、低温やけどの可能性がありますので、皮膚に直接貼らず、肌着の上から貼ることをお勧めします。また、寝る前には必ず剥がし、説明書に書かれてある使用時間を守ってください。

せっかく貼っているのにお灸の熱さを感じない場合は、少しお疲れの証拠かもしれません。日を置いて何度か続けていると、温かさを感じられるようになってきます。これは、身体が健康になってきている証拠です。気持ち良い、と感じている間は貼っていても大丈夫ですが、少しでもピリピリ・ヒリヒリした感じがしたり、皮膚が赤くなったら、すぐにお灸を剥がしてください。

東洋医学には「養生」という言葉があります。これには「先に備える」という意味があります。将来どんなことが起こるのかを知ることで、過度に怖がる必要がなくなり、ゆったりと時間をかけて備えることができます。そして養生が必要だと感じたタイミングは、今までの考え方や行動の癖を変えるチャンスかもしれません。

生きている限り、わたしたちの身体や心は変化し続けます。その変化は決して悪いものでも怖いものでもありません。これから出会う新しい自分への一歩のためにも、ぜひ、いろいろな知識を取り入れていってみてくださいね。

わたしが、相談者さんご夫婦の素晴らしいと思う点は、おふたりが性に対してきちんと話ができていること、おふたりが同じ方向を向いていらっしゃることです。

セックスを楽しめなくなった、というお悩みのタイトルではありますが、それは、お二人にとって、いま現在の身体と向き合うタイミングが訪れたことを意味するのかもしれません。

男性はどうしても、勃起の不十分さを、ご自身の若い頃と比べてしまう方が多いようです。そして落ち込んでしまうのですが、これも実は、落ち込む必要はあんまりないんです。というのも、加齢によって、機能が落ちるのは当然のことだからです。

いつまでも20代の頃の硬さと反応を求めていたい、というお気持ち自体はとても素晴らしいことです。でも一方で、そうやって自分に対して枷をつけてしまうことで傷ついたり落ち込んだりしてしまうなら、ぜひ考え方を変えてみてほしいです。

いまの自分の身体やコンディションでできることは何かな?というふうに。

実は、セックスに勃起や射精が当たり前!という価値観すらも、アップデートしてほしい事柄なのですね。

回答:2人だけのセックスのカタチ

中高年のセックスは、勃起や挿入、射精は必ずしも必要ないこともあります。そして、世の中には、素晴らしいアイテムがたくさんあるので、今まで遣ってこなかった道具などもうまく取り入れてみてほしいです。

相談者さんも、あまりに痛みがきつい場合は、挿入がむしろ負担になることが多いと思いますので、外側だけの刺激で快感を得られるようなセックスにするとか、おふたりで話し合いながら、お互いのちょうどいいところを見つけてみましょう。

お互いのコンディションのことを素直に話し合えているお二人なら、きっと大丈夫です。

おふたりの今後のセックスが、今まで以上に幸せにあふれるものになりますよう、お祈りしています。


レスをはじめとする性のお悩みは「オトナの保健室」へご相談ください

「オトナの保健室」での相談なら、LINEチャットを通じて気軽に話をする感覚で悩みを打ち明けることができます。専門的なサポートで、あなたが前向きな一歩を踏み出すお手伝いをいたします。

どうぞ一人で抱え込まずに、私たちに頼ってくださいね。

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この記事を書いた人

大阪市住吉区にてRISA鍼灸院を経営。完全個室のプライベート鍼灸院として、これまで約8000名を超える方々の健康増進を目的とした鍼灸施術を行う3児の母。妊活や産後のセックスレス、更年期以降の不調にまつわる男女の相談を数多く受ける中、人々の生きる活力の一つである「性」に重点を置き、人間関係を良好に保つことを目的として、鍼灸院で臨床を行う。