夫婦仲

【夫婦仲ハッピーアドバイス】夫の暴力・DVにどう対処する?

夫の心が病んでいるかもしれないと気づいた場合は、はやめに見極め、治療や対処法を探すのもまた妻力。
DVやモラルハラスメントの対処は、ゆっくり落ち着いて考えてください。

【実例】子供が生まれて変わってしまった主人。料理中、包丁をまな板に突き刺して罵倒されて…

平野美江子さん(34歳、子供1人)
平野美江子さん(34歳、子供1人)
主人とは人もうらやむような結婚でした。
主人は大手メーカーの部長候補。
いい大学を出ていますし、家も代々続く裕福な地主一家です。
三男なので大学から東京に出てきて結婚しました。
お義父さんの名義のマンションを無料で借りているので、生活はとても楽です。
私の高校時代の同級生は、

「美江ちゃん、いいなあ。玉の輿だね!」

と、ひやかします。
私も結婚後3年くらいは幸せだと思っていました。
でも、子供が生まれた頃から、結婚前には見せなかったような怖い顔をするようになりました。
子供は夜泣きがひどく、夜は夫だけ別の部屋で寝ています。
それでも、夜中に何度も鳴き声が聞こえるので眠れない、と文句を言い始めました。
また、うちの子はすぐ熱を出します。
そのたびに、夫に車を出してもらうのですが、それが続いた時、

「やってられない。お前も免許とれ」

と冷たく言われました。
その後も、子供がぐずるたびにため息をついたり、一人で部屋を出て行ったりします。
たまに抱いてあやしてくれる時もありますが、適当にやってすぐ私に押し付けます。
なんとなく、夫は子供が苦手だとわかったので、あえて子育てを手伝ってと頼まず、一人でがんばっていました。
でも先月、私が風邪をこじらせてつらかったので、子供と一緒に熊谷の実家に二週間もどりました。
体調が回復してから東京に帰ると、家の中はめちゃくちゃ荒れていました。
ゴミもずっと捨ててないようで、異臭がただよい、シンクには汚れたグラスや皿が山のように積まれていました。
身の回りのことができない人ではないので、私も驚き、怒りが込み上げ、つい、

「ちょっと! 何これ、汚い! 私に順平押し付けて、自分の身の回りの事まで全部やらせるつもり? 自分のことは自分でやってよ」

と怒鳴ってしまいました。
ゴキブリが出てきたので、大声をあげてしまい、よけいに怒りがこみあげました。
そのあと、

「父親としての自覚があるの? すぐ掃除して!」

とも言ってしまいました。
すると、主人の顔つきが豹変し、私の胸元をぐっとつかまれました。

「誰にものを言ってるんだ。この低能女が!」

とすごく怖い声で怒鳴り、胸元を揺すられました。
殴られると思いましたが、その時は激しくゆさぶっただけで手を放し、キッチンから出て行きました。
その日は何もしゃべらず、私は一人で泣きながら家中の掃除をしました。
「低能」なんて人から言われた事はありません。
悲しかったんです。
翌日、会社から帰って来たとき、酔っぱらっていたようです。
いつもの酔いかたと違うなと思っていると、キッチンで料理を温め直している私の横に立ち、包丁をまな板に突き刺しました。
私は怖くて震え上がりました。

「いやいやメシ作ってんじゃないのか。そんなメシなら食いたくないぞ」

と顔を覗き込まれたので、

「そんな怖い事するなら、また実家へ戻ります」

と言いました。
すると今度は、本当に平手で頬を打たれました。

「高卒のお前と結婚してやったんだ。順平が低能ならお前のせいだぞ。身体の弱い子、産みやがって。もっと強くて利発そうな子、産んでほしかったよ。夜泣きしない子をな」

なんだか悪魔の言葉のように聞こえました。
私はとなりの部屋にこもって大泣きしてしまいました。
夜中に水を飲みにキッチンに来ると、主人は、

「悪かった。酔って言い過ぎた」

とあやまりましたが、信じる事はできません。
子供が産まれて変わってしまった主人、別れた方がいいのでしょうか。

暴力の後ろには深い闇が潜んでいる

すずね
すずね
長いあいだ、相談所でDVの相談を受けてみて、私は自分なりに暴力の定義をしてみました。

・殴る蹴る
・ものを床や壁に投げつける
・刃物を振りかざす
・ドアを思いっきり閉める
・壁を叩く
・心を踏みにじる暴言を吐く

これらはすべて、「暴力」だと考えています。
相手を威圧する行為で相手は恐怖を感じます。
恐怖を感じる行為を暴力とするなら、美江子さんは、胸元をつかまれたり、包丁をまな板に突き刺すところを見せられたり、ひどい単語を言われたりしているので十分な暴力被害者です。
ただ、子供が産まれるまではそんなひどい事はしていないので、ここに問題が隠れているのではと思われます。

裕福な家で育ち、一流大学へ進学し、親から住居まで提供されている男性。
自分の子供の育児に向き合おうとしない。
汚い部屋で二週間も暮らしている。
妻の事をいきなり馬鹿にするような発言をするようになる。
冷静に見ると、

夫は家の問題で何かコンプレックスやストレスがあったのではないでしょうか。
それが子供の誕生で一気に吹き出てきたのではないか。

夫婦で話し合ってみる要素はそこからだと思います。
子供の誕生がきっかけで豹変した。
となると、子供への嫉妬、ゆがんだ独占欲、環境の変化に適応できない未成熟な心なども推測できます。
夫の悩みを共有できる妻だからこそ、聞いてあげることができるのだとよく考えて、平穏なときを見計らって話の聞き役になるのも必要な事です。
ただし、暴力が繰り返される場合は、危険を回避するためにも別居の覚悟をしてください。
暴力をふるったあと、「悪かった」と泣き出す夫を見て、つい許してしまったら、その後またひどく暴れ、怪我をさせられた、さらには命の危険に及ぶケースは少なくありません。
気づいた時点で心理学専門家がいる治療機関を探す、心療内科、配偶者暴力相談支援センターに相談するなど、専門機関の情報収集も怠らず進めてください。

妻力は、うまく発揮できる場合と、無理をして発揮すると自分の精神が病んでしまう場合もありますので、状況を見極めることは必須です。
夫の暴力や暴言がエスカレートする前に、夫の心身状態をジャッジする目を持つのも、大事なことです。

【まとめ】
平穏なときを見計らって話の聞き役になり、闇の本質を突きとめて話し合って解決しよう。ただし、夫の暴力や暴言がエスカレートしたら別居の覚悟を!